家でヤマメを育ててみよう-1
仕事ではヤマメの飼育をしていますが、今まで家でヤマメを卵から飼ったことはありませんでした。今年は家の水槽でヤマメのふ化・稚魚飼育に挑戦してみることにしました。
家庭や学校でヤマメの卵(発眼卵)をふ化させて稚魚を飼ったことのある人は結構いると思いますが、上手に飼えましたか?
箱島養鱒センターの養魚施設で数万尾のヤマメを飼うのと家や学校の水槽で数十尾を飼うのとどっちが難しいかと言えば、家や学校の水槽で飼う方が何倍も難しいと思います。
まず、第一に水。小さな水槽では、周囲の環境から受ける影響が大きいため、水温をヤマメの適温に保つことがなかなか大変です。それから、水槽では水質がすぐに悪化してしまいます。小型水槽での飼育では、水質悪化でヤマメが死んでしまうことが多いですね。
魚にとっても狭い水槽というのはストレスがたまります。(魚も人間と同じでストレスが強いと体調を崩します)。
逆に伝染病の心配は水槽飼育の方が少ないです。水槽は完全に隔離された場所ですし、水道水をカルキ抜きして使えば、他にマスやヤマメを飼っている人以外は病原体の侵入は心配することはないでしょう。養魚場でも生まれたばかりの稚魚は屋内で隔離飼育し、病原体が侵入しないように気を付けている(靴や手指、器具の消毒など)のですが、使っている水に病原体が入り込んだり、飼育者が不注意で持ち込んでしまったりして、稚魚が伝染病に罹ってしまうことがあります。
今まで、くちぼそ(モツゴ)を飼っていた水槽です。くちぼそ君達には引っ越してもらいました。大きさは31㎝×15㎝、水深19㎝くらいです。濾過は外付けのカートリッジ式。水はカルキ抜きした水道水。現在、水温が22℃、かなり高めです。
底に人工の砂利が敷いてありますが、砂利は入れない方が稚魚の管理がしやすいです。
卵には直射日光は厳禁です。また、ふ化しても泳ぎ出すまでは水槽を暗くしておいた方が良いので、ボール紙で水槽の周りを覆っておきます。
ヤマメの発眼卵を25個入れました。さ~て、どうなるでしょうか? 正直言って、すごいプレッシャー感じてます。(最初に小型水槽での飼育が難しいって書いたのはうまくいかなかったときの予防線?)
11月4日10時45分 発眼卵収容
水温22℃
発眼卵(はつがんらん)
外観で眼がはっきりと確認できる状態になった卵。魚の卵は物理的なショックに弱いが、発眼卵の状態になると衝撃に強くなるので、この状態で輸送を行う。発眼卵は表面が乾かなければ輸送に水が必要ないので簡単に持ち運ぶことが可能。
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