大室公園(前橋市西大室町)
群馬には古墳が多い。かつては約1万基の古墳があったといわれている。東国では群を抜く数である。数だけではない、東国で一番大きな古墳も群馬県に存在する。太田市の天神山古墳である。天神山古墳は全長210m、5世紀半ばに造営されたと推定されている。当時、東国一の勢力であった上毛野氏を首長とする毛野国の中心はここ太田市付近であったろう。関東平野は上毛野氏が実質的に治めており、朝廷からある程度、独立した国だったのではないかと思わせる品(鈴鏡)も関東地方の古墳から出土している。
6世紀初め、東国に大事件が勃発する。武蔵国造をめぐる争いである。国造の座を争って一方が大和朝廷に、もう一方が上毛野氏に応援を求め、結局朝廷に応援を求めた方が勝利したという結末であった。この話は日本書紀に書かれているが、上毛野軍と朝廷軍の間で戦があったのかどうかまでは、わからない。ただ、当時の上毛野氏は朝廷に対抗できる勢力であったと言うことはできる。(そうでなければ、当事者の一方が上毛野氏に支援を求めたりしない)。この争いで、敗者側となってしまった上毛野氏は勢力範囲が大分狭くなってしまったようで、その後の古墳の造営状況からみて、勢力の中心が現在の前橋市の大室付近に移ったようだ。前橋市西大室付近では7世紀にかけて造られた大型前方後円墳が密集している。その大室古墳群の、前二子、中二子、後二子の3つの重要な古墳を中心に整備されたのが、大室公園。
前置きが随分長くなりましたが(実は私、郷土史、特に古墳時代に強い興味を持っていた時期がありまして)、暖かな春の日差しに誘われて、大室公園に行ってきました。
広いです、大室公園。古墳の他に赤城型民家や親水ゾーン、岩室ゾーン等があるということなんですが、全部を廻り切れませんでした。
園内の「五料池」にはたくさんのカモが泳いでいました。
梅園では、紅梅が満開。白梅も三分咲きというところで、ミツバチが忙しそうに飛び回っていました。
ヤドリギです。黄色い実がたくさん成っていました。鳥にとってはきっとおいしい実なんでしょうね。
大室公園、大変良い所なんですけど、一言だけ。近くに養鶏場があって臭いがちょっとね。
トイレの表示です。さすがは古墳を中心とした公園です。
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