カワヒバリガイ
外来生物法で特定外来生物に指定されているカワヒバリガイがとうとう群馬県内で見つかった。しかも大量に。カワヒバリガイは、東アジアから東南アジアにかけて分布する小型の
ムール貝に似た貝。国外では発電や農業用の水路等に大量に繁殖し、通水障害を起こし大問題となっている。日本には1990年に長良川で初めて確認され、1992年には琵琶湖でも確認された。現在は、木曽三川、琵琶湖及びその下流の淀川(瀬田川・宇治川・淀川)で定着している。この貝の幼生はプランクトン生活の後に水路の壁や石など硬いものに固着 し、固着後は一生そこから動かない。国外から日本への侵入経路は、中国産シジミに混入して持ち込まれたと推定されている。吸虫という寄生虫の中間宿主であり、過去に宇治川ではその寄生虫によりオイカワが大量に死亡したことがある。
なぜ、こんなもんが国内生息域から遠く離れた群馬県に侵入したのか?県内の分布状況から、大塩貯水池に侵入したカワヒバリガイがそこから下流に分布を広げていったと推測される。どうやって大塩貯水池に入ったのか?魚の放流に幼生が混入していたのではないかという人もいるようだが、カワヒバリガイの繁殖水温は20℃より高い。大塩貯水池には、ここ数年フナやコイが放流されているだけだ(バスの違法放流するようなバカは知らないが)。フナやコイは水温の低い冬季に放流するし、国内分布地からは種苗を輸送していない。結論として魚の放流に伴う侵入の可能性はきわめて低い(繰り返すが、バスの違法放流するようなバカは知らないが)。私は、誰かが中国産シジミを大塩貯水池にまいたのではないかと推測する。「昔はこの辺にもシジミがたくさんいたんさ~。また、昔みたいにシジミが育つ環境を取り戻そう~!」と考えたAさん。スーパーでシジミを買い込んで大塩貯水池に放流。本人は環境にとっても良いことをしたな~と大満足。あるいは、売れ残りのシジミを抱えた魚屋Bさん。ゴミに出すと費用もかかるし、そうだ、大塩貯水池に放流してやれば、天然シジミも増えるし、ゴミの処分費もかからないし、とってもいいことだ~!とシジミを投棄。まぁ、こんなところであろう。事実、日本各地で中国原産のジジミ(タイワンシジミ)が在来のシジミを駆逐し、問題化している。さらに、大塩貯水池でカワヒバリガイが発見された水路では大量のタイワンシジミの生息が確認されているのです。
考えられる侵入経路2。琵琶湖で釣ったバスを何者かが大塩貯水池に違法放流し、それと一緒にカワヒバリガイが侵入したということも否定はできない。
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