環境

2006年2月16日 (木)

カワヒバリガイ

外来生物法で特定外来生物に指定されているカワヒバリガイがとうとう群馬県内で見つかった。しかも大量に。カワヒバリガイは、東アジアから東南アジアにかけて分布する小型のImg_0653 Img_0755_1 ムール貝に似た貝。国外では発電や農業用の水路等に大量に繁殖し、通水障害を起こし大問題となっている。日本には1990年に長良川で初めて確認され、1992年には琵琶湖でも確認された。現在は、木曽三川、琵琶湖及びその下流の淀川(瀬田川・宇治川・淀川)で定着している。この貝の幼生はプランクトン生活の後に水路の壁や石など硬いものに固着 し、固着後は一生そこから動かない。国外から日本への侵入経路は、中国産シジミに混入して持ち込まれたと推定されている。吸虫という寄生虫の中間宿主であり、過去に宇治川ではその寄生虫によりオイカワが大量に死亡したことがある。

なぜ、こんなもんが国内生息域から遠く離れた群馬県に侵入したのか?県内の分布状況から、大塩貯水池に侵入したカワヒバリガイがそこから下流に分布を広げていったと推測される。どうやって大塩貯水池に入ったのか?魚の放流に幼生が混入していたのではないかという人もいるようだが、カワヒバリガイの繁殖水温は20℃より高い。大塩貯水池には、ここ数年フナやコイが放流されているだけだ(バスの違法放流するようなバカは知らないが)。フナやコイは水温の低い冬季に放流するし、国内分布地からは種苗を輸送していない。結論として魚の放流に伴う侵入の可能性はきわめて低い(繰り返すが、バスの違法放流するようなバカは知らないが)。私は、誰かが中国産シジミを大塩貯水池にまいたのではないかと推測する。「昔はこの辺にもシジミがたくさんいたんさ~。また、昔みたいにシジミが育つ環境を取り戻そう~!」と考えたAさん。スーパーでシジミを買い込んで大塩貯水池に放流。本人は環境にとっても良いことをしたな~と大満足。あるいは、売れ残りのシジミを抱えた魚屋Bさん。ゴミに出すと費用もかかるし、そうだ、大塩貯水池に放流してやれば、天然シジミも増えるし、ゴミの処分費もかからないし、とってもいいことだ~!とシジミを投棄。まぁ、こんなところであろう。事実、日本各地で中国原産のジジミ(タイワンシジミ)が在来のシジミを駆逐し、問題化している。さらに、大塩貯水池でカワヒバリガイが発見された水路では大量のタイワンシジミの生息が確認されているのです。

考えられる侵入経路2。琵琶湖で釣ったバスを何者かが大塩貯水池に違法放流し、それと一緒にカワヒバリガイが侵入したということも否定はできない。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年2月21日 (火)

利根川のサケ

利根川と群馬県内の支流には、昔は秋になると沢山のサケが海から遡ってきた。本流の沼田や支流の烏川、鏑川でも鮭漁が行われていた。しかし、戦後川は荒れ、昭和40年に利根大堰、河口堰がの工事が相次いで開始されると、サケは利根川に姿を見せなくなってしまった。昭和50年代半ばから全国的にカムバックサーモン運動(確か宝酒造が熱心にCMなんかしていた)が盛り上がりをみせ、前橋市の「利根川にサケを呼び戻す会」をはじめとして市民団体がサケのふ化・放流を始めた。

昭和58年から利根大堰を管理している水資源機構(旧水資源公団)が、堰の魚道でサケの遡上調査を行っている。昭和58年から平成8年までは年間300尾未満だったが、平成11年には733尾、15年に1515尾、そして昨年17年はついに2283尾となった。利根大堰を越えて上流に遡るサケは確実に増加している。

Photo_2 Sake (利根大堰と遡上数)

Sake_4 Photo_4 (調査の様子と魚道観察窓)

利根大堰を越えるサケが増加しているのは何故か?利根大堰の魚道が改修されたこともあるだろうが、その後も増加傾向にあるのはどうしてだろう。サケ稚魚の放流数は増えてはいない。私は、サケのライフサイクルが利根川に定着しつつあると考えている。自然産卵→ふ化→降海→回遊→遡上→産卵 というサイクルが利根川に戻ってきているのではないだろうか。

平成16年の秋に利根川支流の神流川でサケの自然産卵が目撃されたことが上毛新聞で報道された。しかし、産卵が確認された場所は冬場の渇水のため干上がってしまうような場所だった。そのため、群馬県水産試験場と県庁蚕糸園芸課では特別な許可をとって、川底に産み付けられた卵の救出作戦を行った。(法律で、河川のサケや卵を採取することは特別な場合を除き禁止されている。)保護されたサケの卵は水産試験場で育てられ、その一部は群馬・埼玉の神流川沿い小学校にも分与され、翌年の3月初旬に再び、神流川に放流された。Sake_3 Photo_18   

(サケ卵救出作業の様子とサケ卵)

また、サケの遡上数が2千尾を超えた平成17年秋の産卵シーズンは、利根川本流、神流川、鏑川、烏川などでもサケの産卵が魚類研究家に目撃された。そう、確実に利根川のサケは復活してきている。

現在、群馬県内では7団体がサケのふ化・放流に取り組んでおり、水産試験場でもふ化・放流事業を実施している。しかし、ふ化させる卵は全て福島県産である。せっかく、利根川にこれだけのサケが帰ってくるのだから、利根川に戻ってきたサケの卵をふ化放流するのがよいのではないか? 条件は整いつつあると思うのだ。どうでしょうか?

Photo_17 3月初旬の放流を待つサケの稚魚(水産試験場)

(掲載写真はクリックすると大きくなります)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月 4日 (土)

利根川のサケについての発表会

千代田町と埼玉県行田市にまたがる利根大堰を越えて遡上するサケの数が今シーズンは2,283尾と調査開始以来最高を記録したことは前に書きましたが、3月22日に県庁で利根川のサケ遡上に関する発表会が開催されることになりました。

  • 開催日時:3月22日(木) 19;00~20:30
  • 場   所:群馬県庁2階 ビジターセンター
  • 内   容:①サケの生態(水産試験場)、②利根大堰の状況とサケ遡上調査結果(水資源機構)、③利根川中流域のサケ産卵状況(南限のサケを育む会)
  • その他、詳しくは県庁蚕糸園芸課ぐんまの魚振興室(027-226-3097)まで、お問い合わせ下さい。

発表会では、群馬県内で確認されたサケの産卵の映像も見られるはずです。えっ、こんなところで、あんなに大きなサケが産卵していたの?!と驚かれるかも。普段の通勤や通学で、気にしないで渡っている橋の下で4年前に海に旅立ち、ふるさとの川に帰ってきたサケたちの命のドラマが展開されていたかも知れません。

群馬県内では3月4日、5日の土日に各地の市民団体によるサケの放流式が行われます。放流されるサケ稚魚は福島県産の卵からふ化したものです。利根大堰を越えるサケは最近では1,500~2,000尾います。利根大堰で採捕したサケから卵を採り、その稚魚たちを利根川水系に放流することはできないのでしょうか。試算してみました。

  • サケ♀1尾からの平均採卵量:3,000粒
  • 発眼率:70%
  • メス親魚採捕数:20尾/日
  • 以上のとおりと仮定すると・・・・・・

3,000×20×0.7=42,000粒の発眼卵 となります。利根大堰の遡上ピーク時であれば、1日分のサケで4万粒の発眼卵を得ることができます。漁協、サケの放流に取り組む市民団体、水産関係機関、水資源機構、国交省などの関係者が連携すれば、群馬県内で放流されるサケ稚魚を全て利根川産に替えることも可能であると思いませんか?Photo_37 Sake_6

(写真をクリックすると別ウインドウで大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月 6日 (月)

桐生川

Photo_41 今日は、水産試験場の調査に同行し、桐生市梅田公民館近くの桐生川へ行きました。桐生川は渡良瀬川の支流で、長さ約58㎞。名前のとおり、川は主に桐生市を流れています。

Photo_42 水産試験場職員が電気ショッカーを使って調査をします。電気ショッカーを使って魚を捕ることは法令で禁止されていますが、研究機関が調査を行う場合には、特別の許可を受けて使うことができます。今日の調査では、ヤマメ、ウグイ、アブラハヤを確認しました。

近所の人によると「この辺にも昔はカジカがいっぱいいたんさネ~。でも、ダムができてからほとんど見なくなったいね。」ということでした。桐生川上流に桐生川ダム(梅田湖)ができたのは昭和58年。カジカの減少とダムが直接結びつくのか否は分かりませんが、昭和50年代後半頃からカジカの姿が消えていったのでしょう。

今日の調査地点は、水は澄んでいてきれいだったのですが、肥料の袋やブルーシートの切れ端、レジ袋、空き缶が川底の石にひっかかり、挙げ句の果てはゴム製の避妊具までもが、漂ったりしていました。残念でした。

ところで、桐生と言えば、福井、駒ヶ根と並ぶ我国有数のソースカツ丼地域?らしいので、今日の昼食は「藤屋食堂」でソースカツ丼と決めていました。生まれも育ちも桐生市のK林さんの道案内で我々は藤屋食堂を目指しました。私は未だ桐生のソースカツ丼を食べたことがありません。ワクワクしながら、いよいよ藤屋食堂に到着しました。「・・・・・・・。」藤屋食堂は閉まっていました。ここは月曜日が定休日だったのです。無念です。仕方なしに、みやじま庵錦町店でBランチを食べました。楽しみにしていたソースカツ丼を食べられなかったショックのため特にみやじま庵のBランチについてのコメントはありません。Mesi

(写真をクリックすると別ウインドウで大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月22日 (土)

群馬県立自然史博物館

Img_2121 群馬県立自然史博物館は、富岡市上黒岩のもみじ平公園にあります。私のお気に入りの施設の一つ。地球の生い立ちと生命の誕生と進化、群馬の自然環、ヒトの進化、地球環境などが楽しみながら学べます。

                

Img_2087 化石の発掘現場のジオラマ。地下にジオラマがあって、ガラスの上に乗って真上からのぞき込みます。初めてガラスに乗ったときは正直言ってドキドキでした。

Img_2088 Img_2089

恐竜の時代の展示は迫力があります。大きいティラノサウルスの模型はリアルに動きます。小さな子供は怖がります。うちの子供も泣いたことがあります。このコーナーの印象が強いため、我が家では自然史博物館を恐竜の博物館と呼んでいます。

Img_2092_1 手を触れてよい標本もあります。「ダーウィンの部屋」では、きれいな鉱物標本や動植物の標本に触れられます。

Img_2117 Img_2116 5月7日まで企画展「奥利根 その自然をさぐる」が開催中です。これまでの奥利根学術調査の成果が中心の内容です。奥利根地域の自然は群馬の財産ですが、奥利根湖では平成10年頃にバス釣師(団体かも?)によると考えられるコクチバス違法放流があり、現在大変な状況になっています。

また、群馬は自然が豊富な地域という感じがしますが、決してそうではないと思います。特に人里近くの自然は惨憺たる有様です。例えば、タナゴ類。群馬にはヤリタナゴが極めて限定された地区に細々と生き残っているだけです。ミヤコタナゴはもちろん、ゼニタナゴもアカヒレタビラも絶滅してしまいました。こんな県は全国でも珍しいと思います。

群馬県立自然史博物館のHPはこちら

(写真をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月24日 (月)

カジカ

1_4 4月20日にカジカのふ化をお伝えしましたが、その後もカジカのふ化が続いています。まだ、ふ化していない卵もあるので、一つの卵塊でふ化が1週間くらいかかりそうです。カジカはオスが産卵場所にメスを呼び込み、産卵させる一夫多妻型で一つの卵塊でも産卵日が異なるために、ふ化時期にズレがあるのかも知れません。ただ、一夫多妻の傾向は淡水で一生を送る大卵型よりも稚魚が降海する小卵型のほうが強いと言われています。

みやま文庫の「群馬の魚」(関根和伯著、昭和56年発行)によれば、カジカの抱卵数は体の大きさにより80~300粒。産卵直前のメスの体重に占める卵巣重量の割合は96%にも達するということです。(著者の関根先生も「まさしく卵巣が泳いでいるといえよう」と述べています)。また、カジカは専ら水生昆虫を食べ、移動力が弱いため、河川環境のよい指標になるのではないかと書かれています。さらに、今日、話を聞いた別の研究者によれば、カジカは各成長段階でかなりシビアな物理的環境を要求するのだそうです。

ユーモラスな顔つきで生きるのが苦手なカジカ。ますます好きになりそうです。

Img_2102

(写真をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月27日 (木)

カジカの稚魚

  カジカの稚魚

カジカの稚魚の体つきが大分しっかりしてきました。体の長さは1センチくらいです。そろそろ餌を与え始めます。

Kazika 下のふ化直後の写真と比べるとお腹の卵黄嚢が小さくなり、体の色も変わってきたのが分かります。

_1_16

  カジカと神事

Hon 先日、古本屋で「群馬の漁(すなどり)」(坂本栄一著、みやま文庫、平成4年)を手に入れました。県内で行われた各種の民俗調査で得られた漁労に関する資料をまとめたものです。それによると、カジカを神社や屋敷神にお供えする風習が3つ紹介されています。(旧宮城村柏倉、藤岡市日野、片品村下平)カジカが古くから人々に親しまれてきた証拠でしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月29日 (土)

藤沢川(前橋市)

前橋市の芳賀地区に引っ越してきて5年になりますが、家の近所の様子については、ほとんど知りません。子供の頃から育った場所であれば、近くの神社にカブトムシの来る木があるとか、この小川のわき水の所にサワガニがいるとか、このお寺にはこんな歴史があるとかくらいは知っているものですが、大人になってから移り住んだ場所っていうのはよく分からないですね。私が、近所で知っているところは、公民館、小学校、コンビニ、床屋くらい。これでは、いくらなんでもイケナイだろう、近所の自然や歴史についてもっと知らなければと思い、家の近くを流れている藤沢川に行ってきました。

Img_2291 藤沢川は富士見村皆沢付近から流れ前橋市上泉町で桃ノ木川に合流する延長11.8㎞の小河川。流域にある前橋市立嶺小学校や芳賀小学校では毎年、授業で藤沢川の生き物調査を行っています。何年か前に嶺小学校の児童が藤沢川でホトケドジョウを発見したという記事が上毛新聞に載っていました。

Img_2287 Img_2288 高花台団地のそばで川を覗くと、水の色は多少濁っていましたが、川で子供達が遊んでいる姿が見えました。その子供達に聞いてみると、サワガニが獲れるということでした。

川の中の石を見ると、カゲロウ類の幼虫が付いていました。水質は、まあまあきれいなのかも知れません。

Img_2290 川にはオランダガラシ(クレソン)があり、花が咲いていました。

(画像をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月12日 (金)

箱島 地酒&ます料理

東吾妻町箱島は、名水百選の箱島湧水をはじめ湧水の豊富な土地です。その箱島の湧水でつくった地酒があります。

Img_2635 『不動の霊水』。すっきり辛口です。

Hotaru 『ほ~ほ~蛍恋い』。フルーティーな甘口です。

この2つのお酒を造っているのは東吾妻町原町にある「金星酒蔵」で、旧・東村地区のみの限定販売です。箱島はホタルの里としても有名で、時期になるとゲンジボタルの乱舞が見られますが、『ほ~ほ~蛍恋い』の売り上げの一部は地元のホタル保護に役立てられています。ホタル鑑賞のお土産に。

Img_2646 箱島にある「あづま養魚場」では、これらの地酒とぴったり合う鱒料理が楽しめます。

Img_2629 Img_2632 左側の写真は、ますのふき焼き。マスの腹にふき味噌をを詰め、さらにふきの葉で包んで焼いたもの。右側はマスのトロ(はら身)とマスの洋風たたきです。          

(各写真はクリックすると大きく表示されます)

名水百選についてはこちら

群馬の地酒についてはこちら

箱島のホタルについてはこちら

あづま養魚場についてはこちら

☆このブログにはスポンサーサイトの広告が入りますが、私とは無関係です☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月20日 (土)

ぐんま昆虫の森 養老孟司氏講演会

Img_2669 ぐんま昆虫の森で養老孟司氏の「虫も自然・人体も自然」と題する講演会があったので、行ってきた。養老孟司は「バカの壁」が大ベストセラーとなり知らない人はいないくらいの著名人なので普段はあまり混雑しない(失礼)昆虫の森も、今日は人で一杯だった。

講演の内容は感覚と脳内のリンゴ活動など「バカの壁」に書かれていることが多かったが、やはり本を読むより本人の話の方が3千倍くらい面白い。また、世界の紛争の多くに「水争い」が関係していること、都市を維持するには大量のエネルギーを必要とするが、化石燃料はいずれ枯渇するなどの環境問題についての話もあった。その中で一つだけ「?」と思ったのは「鳥獣害」についての部分。養老氏は規則(秩序)を作るとその分だけ無秩序が生まれるとし、例の一つとして農村の猿やイノシシの被害について、その原因を野犬が少なくなったためと説明した。つまり、飼い犬はきちんと鎖につなぎ、野犬は捕獲するという人を野犬被害から守るための秩序により、野犬が減り、猿などが人里に出没するようになったということなのだ。まぁ、そういったことも全くないとは言えないだろうが(モンキードッグの導入なんて対策もあるけど)、それが原因と決めつけることは先生も見ている範囲が狭いんじゃないですか?って言いたかった(話の根本ではないので、目くじらたてることはないですが)。それから、欲を言えば昆虫採集の面白話も聞きたかった。

7_kabutomushi 昆虫の森は運営・維持費に見合う入園料収入がないため、無駄遣い施設だとか言われている。しかし、私はそうは思わない。今日も亜熱帯の蝶の舞う生態温室では子供達の歓声がたくさん聞こえた。子供達が安全に「本物」のムシに触れることができ、自然や環境について体で学習できる施設が身近にあるということは素晴らしいことだ。がんばって下さい矢島稔園長。

P5200002 P5200003

昆虫観察館別館にはフォローアップ学習コーナーがあり、ムシについて調べたり相談することができる。フィールドとこういう施設がセットなっているところがよい。

P5200014 昆虫観察館本館の生態温室。西表島の自然が再現され、亜熱帯の蝶々が舞っている。

P5200011 リュウキュウアサギマダラ

P5200013 P5200017

コノハチョウ。沖縄本島。、石垣島、西表島に生息。翅裏が枯れ葉にそっくり。でも、枯葉の季節以外は保護色にならないのでないか?? 翅の表側は鮮やか。

P_2 9月3日(日)まで企画展『かくれる虫さがしだす鳥』開催中。

ぐんま昆虫の森HPはこちら

(写真をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月21日 (日)

ヤリタナゴ観察会 藤岡市

群馬にはかつてミヤコタナゴ、タナゴ、ゼニタナゴ、アカヒレタビラ、ヤリタナゴなどの日本産タナゴが生息していたが、ヤリタナゴ以外は全て絶滅した。ヤリタナゴは全国的には日本産タナゴ類のなかでもっとも広く分布し、数も多い。しかし、群馬県には藤岡市の一部にのみ生息しているだけで、群馬県レッドリストでは絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。これが、群馬の身近な自然のちょっと恐い現状だ。

P5210022 P5210021 ヤリタナゴの生息地では地元の人達を中心として熱心に保護の活動をしている。また藤岡市もヤリタナゴ、マツカサガイ、ホトケドジョウを市の天然記念物に指定し、保護している。ヤリタナゴ以外にマツカサガイやホトケドジョウも保護しているのは、ヤリタナゴの繁殖にこれらの生物が必要だからだ。ヤリタナゴはマツカサガイに産卵するので、マツカサガイがいなくなるとヤリタナゴは繁殖できなくなる。また、マツカサガイの幼生はホトケドジョウなどの魚に寄生する性質があり、マツカサガイの繁殖にはホトケドジョウが必要。つまり、ヤリタナゴを守るには、マツカサガイやホトケドジョウなども生きていける環境を守らなければならない。ヤリタナゴだけを養殖して放流したってダメなのだ。

P5210001 P5210003 地元でヤリタナゴの保護活動をしている団体が開催するヤリタナゴ観察会に参加した。観察会は「ヤリタナゴを守る会」の主催で、「ヤリタナゴ調査会」、「やりたなごの会」、「群馬淡水生物研究会」の共催。(定期的に開催されている)

P5210009 主催者あいさつ、地元選出県会議員・市会議員のあいさつなどの後、ヤリタナゴのいる水路に移動し、専門家の指導を受けながら用水路で手網を使って魚捕りをした。                  

   

Img_2692 Img_2706 ヤリタナゴのオス(左)とメス(右)

P5210018 ドジョウ

Img_2677 Photo_12 ハグロトンボとそのヤゴ

Img_2690 Img_2679 マツカサガイ(左)とカワニナ(右)

Img_2696 Img_2700 ヤンマのヤゴ(左)とクサガメの子供(右)

P5210027 捕まえたヤリタナゴやドジョウ、マツカサガイなどを水槽に入れ、専門家から説明を受けた。子供達が(大人も)目を輝かせて水槽の中の魚を見つめていた。ヤリタナゴやマツカサガイは観察会終了後、再び水路に戻される。

P5210023 トウキョウダルマガエル

Img_2674 Img_2699 アメリカザリガニとタイリクバラタナゴ。両方とも外来生物。

P5210019_1 シジミもいたが、残念ながら外来生物のタイワンシジミらしい。タイワンシジミが何らかの原因で侵入すると、在来種のマシジミに取って代わってしまう。ニッポンバラタナゴがタイリクバラタナゴに置き換わってしまったのと同じ現象が起こるのだ。

タナゴ類は身近な自然(里山)の重要な指標生物だ。自然保護というと尾瀬や高山の珍しい動植物保護にばかり目がいきがちだが、身近な里山の生物(環境)の保護はそれと同等かそれ以上に大切なのではないだろうか。

(写真をクリックすると大きく表示されます)

藤岡市HP

群馬県の動物レッドリスト

協働の現場から(ぐんま見聞録・別冊)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年6月20日 (火)

ホタル乱舞-2 前橋市田口町ほたるの里

P6200030 前橋市田口町のホタルの里では、ゲンジボタルの飛翔が最盛期を迎えています。田口町では昭和63年から地元の人達がホタルの保護、増殖に取り組んできました。ホタルの発生する小川に沿って観賞用の遊歩道も整備されており、車イスでの観賞もできるようになっています。来場者は年々増えており、昨年は約4万人が訪れました。今日も平日にもかかわらず、ファミリーやカップルで賑わっていました。

P6200032 P6200043

_1_23

(私のコンデジではこれが限界↑。肉眼ではもっときれいです)

交通の便も良く、駐車場も、遊歩道も整備され、と観賞者には良いことずくめの田口町ホタルの里ですが、来場者が多ければ、マナーの悪い(知らない?)人も多くなってしまいます。今夜もカメラのストロボが頻繁に光っていました。コンパクトカメラでストロボをたいても絶対にホタルの光は撮れませんし、ホタルの繁殖の障害にもなります。また、ホタルを撮ろうとしてケータイを振り回してホタルを追いかけてる人も多いのですが、あれも止めて欲しいですね。ケータイの画面って結構明るいのでホタル鑑賞の邪魔になりますよね。

ゲンジボタルは6月いっぱいまでで、6月下旬から7月中旬頃まではヘイケボタルが見られます。ほたるの里案内所は6月30日まで設置されています。

P6200045 ホタルの里案内所

田口町ホタルの里HP (ホタルの里についての詳細)

東京にそだつホタル (ホタルについて勉強しましょう)

(写真をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年6月22日 (木)

箱島ホタル第1保護区 

11_1 箱島のゲンジボタルは今がピークです。しかし、今日は夕方6時半頃から小雨が降り出し、ホタルには生憎の天気でした。飛んでいるホタルの数はやはり少なめでしたが、雨の中を観賞に訪れた人達はゲンジボタルの舞う姿に感激の声を上げていました。(「ホントに光ってる~!」と叫んでいた若い女性は都会の真ん中から来られたのでしょうか?)。

Img_3089 第1保護区のすぐ脇を通る道路はゲンジボタルの時期、夜間7時から9時まで車両通行止めになっています。

Img_3101 第1保護区の昼間の様子です。7月にはいるとゲンジボタルの数は減り、代わりにヘイケボタルがたくさん出ます。ヘイケボタルの光はゲンジに比べて弱く、高く舞い上がったりもしませんが、数が多いので、とてもきれいです。

Img_3099 第1保護区で見つけたトンボの抜け殻

(写真をクリックすると大きく表示されます)

☆ホタルを観賞する際は、マナーを守って下さい☆

  • 懐中電灯などをホタルの方へ向けない
  • フラッシュをたかない
  • 路上駐車をしない
  • 他人の敷地にむやみに立ち入らない

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月 1日 (土)

高飛びゲンジ 東吾妻町箱島

シーズン終盤を迎えたゲンジボタル。ゲンジの乱舞を見るのならここ数日がラストチャンスになるでしょう。

Img_3236 この場所は、先日紹介したマムシが出没するゲンジボタルポイントです。高飛びゲンジに感動したので、また来ちゃいました。
7時半を数分過ぎた頃、一番蛍が光始めました。8時頃には辺りが真っ暗になり、杉の木の上や林の中でのゲンジボタルの光の舞がとてもきれいでした。

20060630 ゲンジの舞。

Takatobi 高飛びゲンジ。見上げているので首が痛くなります。

この時期なので、数はあまり多くありませんでしたが、暗闇の中、たった一人でゲンジボタルの幻想的な舞を見ていると時間の感覚がなくなってしまいますね。

先程、前橋市田口町のホタルの里へ行ってきたのですが、田口のゲンジボタルも数が大分少なくなっていました。

(写真をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0)

2006年7月 6日 (木)

ホタルを育む水

Img_3301 東吾妻町箱島は水が豊富な土地です。日量3万トンの箱島不動の湧水をはじめ、周辺には多くの湧水があります。これらの湧水は魚の養殖や飲料水、農業用水などに利用されています。きれいな水が豊富だからこそ、箱島にはホタルがたくさん飛ぶのです。

Img_3290 Img_3288 (名水箱島湧水。杉の大木の根本からこんこんと湧き出している)

しかし、水が豊富だけではホタルは飛びません。地域の人達の努力が必要です。昔はホタルなんて都市部以外では珍しくもない虫だったそうです。何故、ホタルは珍しい生き物になってしまったのでしょう? その最も大きな理由はシステムとしての「里山」の機能が維持できなくなってしまったからだと思います。ホタル以外にも現在、絶滅が心配される生き物で里山が主な生息地であるものは少なくありません。

「里山」は人の「農」の営みが作り上げ、維持されてきたたシステムです。農林業(広く言えば、人々の生活)が里山システムを必要としなくなり、その機能が停止してしまった時代に里山の生き物たちを守るためには、相当の労力が必要になります。その意味では昔も今もホタルを育てているのは「水」と「人」なんでしょうね。

Img_3273 _1_24  箱島のホタル保護区に流れ込む湧水(左)とその流れにいるカワニナ(右)。ゲンジボタルの幼虫はカワニナしか食べません。この湧水も地元の人達によって維持管理されています。

(写真をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月31日 (月)

ぐんまウォーターフェア (県庁)

P7310004 県庁の県民ホールで開催中の「ぐんまウォーターフェア」を覗いてみました。ウォーターフェアは8月1日の「水の日」にちなんで、毎年行われている水に関する総合的なイベントです。森林、農業用水、水道水、発電、魚などに関する資料や模型などが展示されています。

P7310005 このイベントで一番人気のある群馬の魚コーナー。アユ、ヤマメ、イワナ、ドジョウなどが展示されています。

P7310017 P7310008

P7310011

P7310022 やさしいお水の分析コーナー。簡易水質分析の体験もできます。

ぐんまウォーターフェアは8月2日まで
問い合わせは土地・水対策室(電話 027-226-2362)

『水の日』:水の貴重さや水資源開発の重要性に対する関心を高めるため、8月1日を「水の日」、8月1日から7日にかけてを「水の週間」とすることを昭和52年5月31日の閣議了解で制定。(『国連水の日』は3月22日)

P731 おまけ
今朝、空を見上げると飛行機が雲を曳きながら飛んでいました。

                                        

(画像をクリックすると大きく表示されます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月31日 (木)

プランターたんぼ(その4)~~ムシたち~~

プランター田んぼにやって来るのはボウフラたちばかりではありません。ホントの田んぼに比べれば少ないですが、色々なムシたちがやって来ます。

Photo_1 アジアイトトンボの未成熟の♀でしょうか。オレンジ色の体がきれいです。

Photo_3 ハムシの仲間だと思います。多分害虫でしょうね。

他にも、アリやウンカの仲間、ヤマトシジミなどが来ています。イナゴやカマキリなんかも来てくれるとうれしいですが、プランターでは無理かな。

Photo_5 昆虫がやって来れば、当然クモも登場です。

ところで、メダカやタナゴ類、ドジョウ、タガメなどの大型水生昆虫等々が減少したのは「農薬」が原因だという説明がよくありますが、本当にそうでしょうか?確かに強い農薬が使われ、害虫以外の生物も減少したことはありました。しかし、強烈な毒性を持つ農薬が使われなくなった現在においても、水田をすみかや繁殖場所としてきた生き物たちが戻ってこないのは、いったいどういうことなのでしょうか?その原因は、”とても管理しやすい”コンクリート製や暗きょの用水路の整備やため池の管理方法など”里山システム”の崩壊が根元にあるのだと思います。水田を生物多様性を守る「湿原」と捉える視点も必要なのではないかと思います。(もちろん違法放流されたブラックバスやブルーギルが希少生物を食い荒らしていることも忘れてはいけません。)

プランター田んぼ(その3)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月19日 (日)

サケの産卵を見て感動! (利根川)

利根川の利根大堰を通過したサケの数は、11月16日現在で1,530尾。これは、昭和58年以降で最高だった昨年を大幅に上回るペースです。(昨年同期:1,220尾)。

利根川の太田市・深谷市付近でサケの産卵行動が見られるという話を聞き、現地に行ってきました。
毎年、サケの産卵について調べているSさんの案内で現場に着くと、本流から分岐した浅い流れの中でサケが時々水しぶきを上げ泳いでいます。感動!
産卵のため、川底を掘る行動をしているメスの姿も見ることが出来ます。

Pb190031 背中と尾びれを水面出して泳ぐサケ

サケはメスが体を横にして、尾びれで川底を激しく叩きながら直径50㎝~1mほどのすり鉢状の穴を掘ります。メスが穴を掘っている間、オスはメスに寄り添い他のオスの侵入を見張っています。そして産卵が終わるとメスは再び尾びれを使って穴を埋めます。メスは産卵後も産卵場所の止まり、他のメスが自分の産卵場所を掘り返さないように守ります。しかし、それは長い間ではありません。やがて、力尽きた親魚は下流に流されていき岸に打ち上げられます。

サケの産卵場所です。周囲に比べ、石の表面がきれいです。

Img_4368

銚子の河口からやっとここまでたどり着き、ボロボロの体で産卵のために最後の力を振り絞っているサケ。彼らの姿にジーンと来てしまいました。

Pb190044

Pb190047

Pb190051 力尽きて死んだサケ。

今、川の中ではこんな壮絶な命のドラマが展開されています。大切にしたいですよね、ふるさとの魚、ふるさとの川。

Img_4399 サケの産卵を伝える『埼玉新聞』(11月19日付)

サケの遡上(グッドぐんま11月14日)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年11月28日 (火)

講演会「ツキノワグマの生態と被害防止対策について」

11月22日朝、前橋の住宅街にイノシシが出没。警察や消防約30人が出動し、4時間後に捕らえられたことが、翌日の新聞各紙に報じられていました。
今年は全国的にクマの出没が極めて多い状況ですが、前橋のイノシシ出没事件はこれからの野生動物と人間のせめぎ合いの行く末を暗示しているようで、何やらゾッとしました。

今日、群馬県ツキノワグマ緊急対策協議会の主催で「ツキノワグマの生態、行動と被害対策について」と題した講演会が県庁で開催されました。講師は羽澄俊裕さん((株)野生動物保護管理事務所代表取締役)。羽澄さんは国や都道府県の野生動物保護管理、農作物被害対策に関する委員を数々務める専門家です。

_3_3

講演では、クマの生態、クマによる被害とその対策などについてわかりやすく説明がありました。(講演内容は青字)。

ツキノワグマの特徴
・行動範囲は通常、オス100k㎡、メス30k㎡以内であるが、エサが不足した場合などはもっと広く移動することもある。
・雑食性で、季節毎にその地域にあるもっとも都合のよい食べ物を利用する。
・冬眠前の飽食期は8月中旬から始まる。(冬眠に向けて体の生理状態が大きく変化を始めるのがこの時期)。
・飽食期には特にドングリ類を求める。
・冬眠は12月~4月。年によって変動する。しかし、この変動がどのような理由で起こるかについては、はっきりわかっていない。
・発情、交尾期は5~7月。受精卵はすぐには着床しない。母クマの栄養状態が良好であれば着床する(着床遅延)。栄養状態が悪ければ子供はできない。
・よって、秋の飽食期の食べ物の確保はクマにとって大変重要。
・出産は2月頃で赤ん坊は小型で10㎝くらいしかない。

クマが人里に出没する原因の一つとして、「誘因要素の管理不足」がある。
・残飯、死んだ家畜、収穫されない野菜や果樹などの放置がクマを人里に引きつけている。
・畑や果樹園を電気柵で囲い、農場や牧場、養魚場などの管理を適切に行う
・高齢化・過疎化による農村、農林業の荒廃がクマ出没の大きな要因となっている。

_2_17

今年、有害駆除で捕獲されたクマは全国で4千頭にもなると言います。群馬県内でも325頭ものクマが有害鳥獣駆除で捕獲されています。絶滅も心配され保護が必要と言われている大型動物でこの数字はちょっと異常だと思います。

羽澄さんは駆除は被害対策にならないと強調されていました。
・毎年クマが駆除される場所は決まっており、そこでの被害もなくなっていない。
・被害発生後に駆除して終わりでは、被害は繰り返されるだけ、根本的な対策を取らなければダメ。

ツキノワグマが人間の居住圏に出没する要因と対策のポイント
・移動可能な環境要素→環境を改変して移動経路を断つ
  クマが姿を隠せるようなヤブの刈り払いなど
・誘因物→誘因物を取り除く
  生ゴミ、家畜の餌などの適切な管理、収穫されない農産物の撤去
  電気柵の設置、適切な管理
・人慣れ→警戒心を持たせる
  最近、人を恐れないクマやイノシシが増加している。
  秋の飽食期前に人里に出没するクマもいるが、これは人里近くにクマが住み着いているということ。人慣れしたクマは危険。

クマによる被害を減らすためには、農村の基盤整備により、人とクマが棲み分けられ、被害に遭わない農村環境を造ることが必要。農林業、農村の振興こそが根本的なクマ対策。

「クマなどの野生動物が人里に出てくるのは人間が山の自然を破壊したから」。そんなステレオタイプの見方では今の状況を理解することは出来ません。農村の過疎・高齢化、里山システムは機能停止。このような状態で人間界とケモノの世界との境界があいまいになりつつあるのが現状のようです。

ツキノワグマを知っていますか(県庁HP)

WMOホームページ (株)野生動物保護管理事務所

| | コメント (5) | トラックバック (0)