利根川のサケ 命をかけた200㎞
今年も利根川を遡上するサケの数は順調に増えています。
利根大堰の魚道で確認された数は11月28日現在3,616尾。昭和58年の調査開始からの最高記録だった昨年の3,215尾を越え、現在も記録を更新中です。
先日、前橋の利根川でサケが産卵しているという情報を聞き、「南限のサケを育む会」のS藤さんと現地に行ってきました。
場所は前橋市と吉岡町を結ぶ上毛大橋の上流です。
サケのメスは尾びれを使って川底に直径50~100㎝程度のすり鉢状の穴を掘り、そこに産卵します。(産卵床)
目撃情報をもとに付近を探すと水深30~40㎝くらいの場所でサケの産卵床を確認しました。
メスは産卵が終わると再び尾びれを使って穴を埋め、産卵後も産卵床付近に止まり、他のメスが自分の産卵床を掘り返さないように見張っているのですが、この場所では親魚の姿を見つけることはできませんでした。
産卵床から上流に歩いていくとサケの死がいが川の中に横たわっていました。
小型のオスです。
数時間後に同じ場所を訪れた別のグループはメスの死がいを発見しました。
尻びれから尾びれの辺りが激しく傷んでいます。
メスのサケは前述のように尾びれを川底に激しく打ち付けるようにして穴を掘るので、尾びれ付近の損傷が目立ちます。
サケにとって“故郷”は命よりも大切な場所です。
サケは稚魚の時に刷り込まれた故郷の川のわずかな匂いを頼りに、自分の生まれた川に帰ってきます。
銚子の利根川河口から、ここまでの距離は200㎞。
サケは過酷な旅と産卵に全ての力を使い切り、一生を閉じます・・・
来年の春、命を受け継いだサケの稚魚たちは海を目指して川を下ります。
そして、オホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾をまわる大回遊後、再び自分の生まれた川に戻ってきます。親と全く同じように。命をかけて。
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