8月もそろそろ終わりに近づいてきました。まだまだ残暑がきびしいですが、秋は一歩一歩確実に近づいています。
水産試験場では今日からアユの採卵が始まりました。
秋、産卵期が近づいてきた川のアユは、なわばりを解消し、川を下り始めます。落ち鮎ですね。川を下る行動は降雨による増水で一気に加速します。
下流の産卵場に到着したアユは群れをなして産卵し、1年という短い一生を終えます。
今日、採卵したのは水産試験場で継代飼育してきたアユです。天然遡上の海産アユの産卵期よりも一月以上早く産卵期を迎えます。
アユの採卵の手順を紹介します。
①熟度の鑑別
メス親魚の中からその日に卵を搾れる魚を選び出します。
②採卵
メス親魚のお腹を押して、卵をしぼり出します。
この時に、水が混入しないように注意します。受精前の卵に真水は厳禁です。受精率が極端に低下します。
③採精
オス親魚から精液を採取します。このときも水が混入しないように注意が必要です。真水に触れた精子は運動を開始してしまい、受精前にエネルギーを使い切ってしまうのです。
淡水魚の採卵に真水厳禁というのは意外かも知れませんが、ニジマスやヤマメの採卵でも同じです。
④媒精
卵の入った容器に精液を加え、水鳥の羽で静かに撹拌します。
この時、精子は卵に触れますが、まだ受精していません。
⑤受精
水を張ったバケツの中に媒精した卵を入れます。この瞬間に精子が卵の中に入り、受精します。アユの卵はものに触れると、それに張り付く性質があります。シュロのブラシをバケツに入れて卵を付着させます。
⑥受精卵
大きさは0.8㎜くらいです。
ふ化までの日数は水温に左右されます。水産試験場のふ化管理用水は約15℃なので2週間後くらいにふ化します。
ふ化したばかりのアユの赤ちゃんは小さくて透明なので、馴れないとどこにいるのかよく分からないくらいです。
ふ化の様子はまた紹介する予定。
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